黄瀬戸を作ろう!NO2
●黄瀬戸は桃山時代前期に主に制作された伝統的なやきものです。
● 桃山時代に起こった数々の技術革新−顔料に使う銅の加工技術の向上や九州を経由して入ってきた登り窯によってきれいな酸化炎焼成が可能になったこと−によって生まれた日本を代表する陶器の一つと言えるでしょう。
装飾について
●削りが終わったら、生がわきのときに線彫を入れます。(大根やラディッシュ、花など)黄瀬戸の中でも古いタイプのものには、印花のような押文が多用されています。
素焼になったら、鉄(弁柄)やタンパン(下参照)を使って、アクセントをつけます。写真は植物の葉にタンパンを置いているところ。灰釉か伊羅保を薄く施釉して、酸化で焼成しましょう。
その他注意すること
●五斗蒔土はもろいので、生がわきや素焼のときに、取り扱いを乱暴にすると、割れが入ることがあります。
●飯茶碗や湯呑みなど日常使いの器を作るときも、土見を残さず高台まで総施釉することをお勧めします。
タンパンについて
●タンパンは液体顔料ですから、素焼にしみ込んでしまって、どのくらいの濃さなのか分かりにくいものです。また素地が薄い場合など反対側にも色が出ることもあります(抜けタンパン)。桃山時代には天然に産出する硫化銅を使用していたと思われますが、当工房では塩化銅を使います。
輪花について
ドラ鉢の口もとに輪花(彫刻文様)を入れる場合、約束があります。まず口もとを奇数割にしてマークを付けておきます。マークとマークの間をさらに3分割して印をつけます。するとマーク印、印、マークの順に並びます。それを、凹凹凸凹に刻んでいくと、輪花の完成です。
ドーナツ型の目土について
●五斗蒔土は焼締まりの少ない土のため、耐火性があって焼成中に歪んだり形が崩れたりしにくいものです。その性質を利用して、ドラ鉢などの平たいやきものを、ドーナツ型の目土でうけて、焼成していたようです。現在では、平らな棚板が手に入りますがそれらの便利な窯道具がなかったころの陶工は、いろいろ工夫して、皿や鉢を焼いていたようです。
中国工芸とのかかわりについて
●黄瀬戸は中国明時代の工芸品や、宋時代からの青磁の作品の影響を強く受けているといわれています。同時代、同地域で作られていた志野や織部の造形と比べてみると分かりやすいでしょう。全体に薄作りで歪みやひずみをきらい、ロクロの指あと等を残さないよう形成してあるところなどが、黄瀬戸の特徴です。
その他黄瀬戸に関する用語
●あやめ手、菖蒲手 黄瀬戸の中でも特にあやめや菖蒲の花をモチーフにしたもの
をこう呼 んでいます。
●あぶらげ手 窯の中で温度が低めになってしまい、光沢が出ずに、ザラザラ
した 釉調になったもの。
●ぐいのみ手、菊皿手 あぶらげ手の反対に、充分な熱量を受け、光沢が強く見え、
少し焼き 過ぎのもの。ぐいのみや菊皿といった小品に多いこと
から、こう呼 ばれています。